イタリアのこと_イタリアンレッドのこと

イタリアに行くと「赤」によく出会う。
情熱系?国旗の色?はたまたトマトソースの色?


この「赤」という色。

インテリア的にはとっても難しい色。

多すぎるとうるさくなってしまうし、「赤」と一口に言っても色々な「赤」がある。

どの赤をどう使うか、ものすごく気を使わないといけない。


というわけで、今日はカッコイイイタリアンレッドのこと。
(カタカナ多し)

おしゃれなミラネーゼ、たくさんの歴史あるレザーブランド、ローマの休日…

イタリアにはそんなクラシカルな魅力もあるけれど、

モダンイタリアのデザインはカッコイイ系。
黒、白、赤といったパキッとしたカラー。
少し無機質な素材感。
わかりやすくいうとフェラーリのイメージでしょうか。


でもそこはイタリア人。
トマトの扱いに慣れているからか、彼らは赤の使い方がとっても上手。

ミラノで滞在したホテルがとてもうまく赤を取り入れていたのでご紹介。


まず、エントランスを入った正面にあったバーカウンター。

黒、白、赤の絶妙なバランス。

左右対称のカウンターに、わざとか偶然か、これまた左右対称に置かれた2脚の赤いイスが効いてニクい演出。

ピリリと赤のスパイスを入れることで、ホテルに訪れた旅行者を一気にイタリアのモダンデザインの世界に引き込みます。


続いてはロビーの待合い。

ここではソファに赤を使っていて、
先ほどのバーカウンターよりも赤の分量が増えた印象。
でも全体としては黒、白、赤のルールを守っているので、違和感がない。
黒い床と黒い壁に挟まれたコーナーに赤をまとめることで
コーナー部分に目が行き、空間をグッと引き締める役目を果たしています。
2.3人でソファに座ってゆったり話したい雰囲気。

その向かい側には、さらに赤の分量が増えたスペース。
同じ3色ルールだけれど、壁一面を赤にすることで、見る人の着目点が少し上に上がり、
さらにクッションやサイドチェアにも赤を使うことでリズム感を生んでいます。
こうすると、みんなで集まってワイワイおしゃべりしたい雰囲気。

ホテルには必須のフロントはこちら。
なんとここでは赤がない。

機能重視の受付よりも利用者が談笑するスペースに重きを置いて目立つ様にしたのかな、

なんていうデザイナーの意図が見える気がします。
あまり使われない階段の踊り場も、一面だけ赤くしていて、
こうゆうのを見るとメインの空間以外にもきちんと気を使っているんだなーなんて
思うのです。

消化器は同化しちゃってる。


もうひとつ、思わずうなった「赤」について。
地下鉄の改札ですが、どちらが入り口専用で、どちらが出口専用かわかりますか?
赤をうまく使うことで、大人でも子供でも、イタリア人も観光客も
何の説明もなしになんとなくわかるというスマートな改札。
矢印はあくまでシンプルに。

改札機や床にペタペタシールを貼って、
文字やら矢印やらで説明している日本の改札とは大違い。
こういうのを見ると、デザインで解決できることってあるんだよなーと思います。


最後はおしゃれの国らしく、パンツに赤を効かせた伊達男さんで

今日はおしまい。
Ciao!

nokoto

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yoko_nokoto

一級建築士。
インテリアコーディネーター。
メディカルハーバルコーディネーター。

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