フィンランドのこと_森のこと
「ちょっと森でベリーを摘みに、フィンランドに行ってきます」
そう言って私がフィンランドに行ったとき、
友人の多くは、ついに頭がおかしくなったのかと思ったそう。
でも、本当にそれだけの魅力があるのです。
今日はフィンランドの森のこと。
ヘルシンキから電車とバスで約1時間のところにあるヌークシオ国立公園。
森と湖の国と言われているフィンランドには、都会からすぐのところにこうした自然があり、
身近なものとしてみんなの生活に寄り添っている。
特に、短い夏の間は週末になるとここぞとばかりに、みんな森へ出かけていく。
家族や友人とのキャンプ。
ふらりと散策。犬の散歩。
ベリー摘みにきのこ狩り。
なんという豊かな暮らし。
その上、北欧諸国には「自然享受権」という権利がみんなに認められていて、
誰の所有であっても自由に森に入り、ベリーを摘んだりきのこを採ったりして良いのです。
というわけで、シーズンになると老若男女、妙齢のご夫婦から年頃のお嬢さんまで
無心でベリー摘み、なんて風景があちこちで見られます。
(時には話しかけても気づかないくらい必死)
たくさん摘んで、そのまま食べたり、ジャムにしたり、冬のために冷凍しておいたり。
でも必要以上に欲張りな人はいないし、ゴミを捨てたりする人もいません。
森からおすそ分けをもらう代わりに、みんなも森に敬意を持っています。
そういう価値観がしっかりと根付いている。
だからこそ、国民に権利がきちんと認められている。
どの国でもできることではないと思います。
フィンランドへお越しの際には、ぜひ森へ行ってみてください。
きっと森のおすそ分けと一緒に、ちょっとした優しい気持ちも収穫できるはず。
* * *
ちなみに、ヌークシオでは赤・青・黄色の3つのコースが整備されていて、初めてでも迷わずに散策できます。
ガイドのお姉さんに「ベリーはどのコースで見つけられますか?」と聞いたら
答えは「Anywhere(どこでも!)」とのこと。
日本では感じられない豊かさに触れた気がしました。
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