オランダのこと_ダッチデザインのこと

今日は、わたしがなぜオランダに魅せられたのか、という

はじまりのお話。

ダッチデザインのこと。


ダッチデザインとは、文字通りオランダのデザイン。

ユニークな形やカラフルな色、

物事の特徴を誇張したような表現が多く見られるデザインです。


きっかけは、ひとつの建築でした。



なんだこれ?

カラフルな色々が飛び出している!



反対側もなんだか飛び出している。


日本でも昔自動車のCMで使われたことがあるので
見かけたことのある方もいるかもしれません。

これはMVRDV(エムブイアールディーブイ)という建築家集団が作った集合住宅。

WOZOCO (通称 OKLAHOMA オクラホマ)  1997年に完成しました。

チームの名前は創設メンバーの頭文字から。



なぜこんなに色々と飛び出しているのでしょうか。

そもそもなんでこんなことになっているのか。




実はこのプロジェクト、100戸の集合住宅を作ることが目的でした。
ところが、実際に設計すると敷地めいっぱい建てても87戸しか入らない。

かといって共用廊下や部屋を狭くすると使い勝手が悪くなってしまう。



あと13戸をどうしよう。


そんな打合せの中で冗談半分で出たアイデア、

”入りきらない分は外側にくっつけたら?”

それを実際に形にしてしまったのがこちらの建物です。


横から見ると、こんな感じ。



1戸まるまる飛び出しているところは、長いところで11mくらい。

2フロア分、しっかり飛び出してます。



バルコニーも外にはみ出している。

これで目的の100戸を実現することができました。



もう一つ面白いのが、
これが "100戸" の "老人のための" 集合住宅である、というところ。

建築家が仕掛けたのは様々な素材のバルコニー。

オレンジや緑のカラフルなもの、メッシュタイプや柵タイプなど色々なタイプがあります。



それらは外観の楽しさを生み出すだけでなく、

住人にとっても楽しみを生み出しました。



お花で飾ってみたり、テーブルセットを置いてみたり



鳥の巣箱を吊るしてみたり、


みんな思い思いの使い方で楽しんでいます。



さらにすごいところは、こんなに変わった形なのに設計を工夫して

建築コストをきちんと押さえたところ。

彼ら曰く、(竣工当時は)アムステルダムでもっとも安い集合住宅、とのこと。




こうして、一見不利なマイナスポイントも、デザインやユーモアでプラスに変えてしまう。

一見奇抜や無駄に見えることにもきちんと意味と理由がある。


そんなところがダッチデザインの魅力であり、

わたしを魅了してやまない、オランダの魅力なのです。



■Oklahoma – オクラホマ

住所 : Reimerswaalstraat 1, 1069 AE Amsterdam, Netherland

アムステルダム中央駅から約30分

17番トラムの「Hoekenes」で下車

nokoto

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yoko_nokoto

一級建築士。
インテリアコーディネーター。
メディカルハーバルコーディネーター。

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