オランダのこと_ブルック・イン・ワーターランドのこと

たったひとつの風景が、心を動かし、

心を豊かにしてくれる。


今日は、そんな体験、ブルック・イン・ワーターランドのこと。


数年前からずっと訪れてみたかった場所。
アムステルダム中央駅からバスで10分たらずの小さな村です。
世界の美しい村にも数えられるこの村。

なんの変哲もないバス停を降りて、住宅街を少し歩いて行くと

突如現れるのがこの風景。



なんて静か、
なんてのどか、
なんて穏やか。


あまりの美しさに、なんだか自分でもびっくりするくらい感動してしまい

ぐらっと音をたてて心が動いたのが自分でもわかりました。


ちょうど日没の時間帯。
しばらく見とれていると、 "Beautiful" という声が。

横を見ると買い物帰りのおばあさんが、立ち止まっていました。

聞けば、長くこの村に住んでいるとのこと。
「こんな美しい景色が毎日見られるなんて本当に幸せですね」と言うと
「毎日違うけど、今日は特別きれいよ。」

そうか、毎日違うのか。



散歩の途中、
買い物の帰り、
仕事帰り、
学校の帰り、

色んな人が毎日通って、立ち止まって、毎日見る景色。


全く同じ景色でも
時間や天気、季節によって、
または見る人の気持ちや状況によって
全く違う景色になる。


その瞬間の自分、を立ち止まって確認する。

そんな位置確認みたいなことが出来る景色。




「あなたの住む東京はどう?」と聞かれて

とっさに「こんなにきれいな景色はない」って答えたけれど



ここのように美しさを誇れる景色ではなく、

その瞬間の自分と向き合える場所なら

身近にもあるかもしれない。

そういえばそんな風に周りを見ていなかったな

と気づかされました。


下を向いてスマホの画面ばかり見ていたり
音楽を聴いていたり

考え事ばかりしていたり

そんなことをちょっとやめて周りに目を向けてみる。


そんなことから始めてみようかな。



今回感じた感動も

きっと今の私がこのタイミングでここを訪れたから。

そう思うと、この景色を見たことで、

心の引き出しがひとつ増えた、そんな気がしました。



  *  *  *


ここ、ワーターランド地方はオランダの中でも特に水が多いため
水と調和した景色が楽しめる場所。




このエリアは17世紀のオランダ黄金時代に裕福な商人たちが住んだエリアとのこと。

淡い色合いの家が優しい印象でホッとした街並みを作り出します。


可愛らしい街並みはすでにヨーロッパで人気とのこと。

日本ではまだあまり知られていない場所ですが、

機会があったらぜひ訪れてみてください。



この村を訪れる時には、この静かな村の景色が

どうかみんなの大事な景色であることをお忘れなく。

壊さないように、そっとお邪魔するのがマナー。

nokoto

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yoko_nokoto

一級建築士。
インテリアコーディネーター。
メディカルハーバルコーディネーター。

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